スポーツ障害筋肉痛

【筋肉痛】

運動をした翌日以降に起こる筋肉痛は、スポーツ障害の一種であると言えます。
筋組織の部分断裂が原因となる筋肉痛は、運動はおろか日常生活さえも億劫になるほど慢性的な強い痛みを伴います。
筋肉痛を予防し、早急に治癒させるのはどうすればいいのでしょうか。
筋肉痛について解説していきます。

スポーツ障害としての筋肉痛

運動後に起こる筋肉痛は、全ての運動が起こす可能性を持っていると言えます。多くの人が一度は苦しんだことのある筋肉痛はどのような原因で発生していて、どのような対処をすれば良いのでしょうか。

筋肉痛の原因

筋肉痛は、筋肉の働きと伸縮を原因として発生します。筋肉は本来、収縮することで力を発揮し働く性質を持っています。この収縮によって力を発揮する筋肉の働きを「コンセントリック収縮」と言います。逆に筋肉が伸張しながら力を発揮する働きを「エキセントリック収縮」と言います。筋肉痛は本来の働きではないエキセントリック収縮が原因となって起こっているものなのです。エキセントリック収縮は、筋繊維が伸びきった状態で力を出そうとするので、筋繊維が小さな断裂を起こしやすくなります。この筋繊維の断裂が筋肉痛の痛みを起こす元となるのです。

筋肉痛の痛み

筋肉痛によって発生する痛みは、筋繊維組織が再生する過程で炎症を起こして発生すると言う説と、運動によって蓄積した疲労物質である乳酸の働きであると言う説があります。痛みの内容はどうあれ、筋肉痛によって感じられる痛みは相当のものであると言えます。安静にしていても痛みが治まらず、二・三日は痛みが続く性質があるためスポーツはおろか、日常生活さえ難しくなるのです。また、筋肉痛の痛みは年齢と共に時間差で発生するようになる性質があるため、運動をした次の日以降に筋肉痛に悩まされることで自分の老いを感じることがあります。

筋肉痛の治し方

筋肉痛は、疲労して損傷した筋肉が再生する過程で起こるものといえます。つまり筋肉痛を治すということは筋肉の再生を促すことに繋がっているのです。では、どのような手段を用いて筋肉痛を治すのが良いのでしょうか?

血流の改善

筋肉痛の痛みは、筋肉の炎症が原因の一つとなっています。この炎症をアイシングなどで冷やして鎮めた後で、マッサージや入浴で温め血行を良くして治りを早めるのが筋肉痛の治療の基本と言えます。冷たいシャワーを浴びた後湯船に浸かって温まるといった「温冷浴」や冷湿布が効果的です。

クールダウン

運動後のクールダウンは、疲労の回復だけでなく筋肉痛を防止する為の重要な役割を持っています。運動をした後の筋肉は、強張った状態になっていると言えます。この筋肉の強張りは血流を阻害して筋肉痛を長引かせる原因になってしまいます。クールダウンでストレッチ体操を行い、筋肉の柔軟性を取り戻して血行を促進することで筋肉痛の発生を予防または痛みを抑制する効果が期待できると言うわけです。