野球はスポーツの中でも選手人口の多いものと言えます。
日本における野球への熱意は世界でも五指に入るもので、多くの若者が野球に青春を燃やしていると言えます。
しかし、それだけに野球でスポーツ障害を起こす選手は少なくありません。
ここでは野球特湯運スポーツ障害である野球肩と野球肘について解説していきます。
野球肩と野球肘について
明治4年ごろに日本に上陸したベースボールは、野球として約140年の間日本人に親しまれてきました。しかし、一方でスポーツ障害に悩まされ趣味の範囲でも野球を楽しめなくなってしまった選手も少なくありません。野球特有のスポーツ障害である野球肩と野球肘はどのようなものなのでしょうか?
野球肩の概要と症状
野球肩は、上腕骨の肩周辺で発生する炎症などの投球フォームに伴って発生するスポーツ障害の総称です。小学生に多く見られることから「リトルリーグ肩」と言う異名を持っています。野球肩は、「オーバーヘッドスローイング」と呼ばれる投球時の動作が原因となって起こるため、ハンドボールや水泳などの野球以外のスポーツでも発生することがあります。症状としては肩の痛みや血行障害などがあります。
野球肘の概要と症状
野球肘は、投球による使いすぎを原因として起こる肘関節部の炎症で正式には「上腕骨内側上顆炎」と言います。野球以外のスポーツではテニスなどで起こり、「テニス肘」と呼ばれることがあります。症状としてはしびれや痛み、関節のロッキングなどがあり投球などの動作に支障をきたすことがあります。投球フォームに乱れがあると、肘への負担が大きくなって野球肘を起こしやすくすることがあります。
野球肩・野球肘の原因
野球肩と野球肘は、投球時のオーバーヘッドスローイング動作が原因となって起こるスポーツ障害といえます。野球はスポ根ドラマの題材にされやすいように、血のにじむような練習を積み重ねることを美徳としているスポーツという特徴があります。野球の指導者にしても投げ込んでコントロールを身に付けるなど、運動量の多い練習を好む人物が多いのも野球の特徴ともいえます。野球に関するスポーツ障害は、指導者の無理解による所も大きいことも問題なのです。
野球肩・野球肘の予防
野球肩や野球肘は、成長期の小中学生を中心として起こりやすいスポーツ障害であるといえます。予防策としては上腕や肩の筋肉強化と運動後のアイシングと温熱療法の併用が効果的です。また、選手に無理をさせない練習メニューを組むことも野球の指導者に求められる予防策といえます。
野球肩・野球肘の治療
野球肩や野球肘の治療は、投球練習の休止から始まります。発症原因であり、悪化させる原因でもある投球は完治してからでも遅くはないからです。野球肘の場合は、投球フォームの改善を行うことで症状が改善することがあります。野球肩の治療は、抗炎症剤などで炎症と痛みを抑えながら肩関節の可動域を改善していきます。場合によってはデブリードマン手術で骨や組織の切除を行うことがあります。
症状
成長期にボールを投げすぎることによって生じる肘の障害を野球肘といいます。
投球時や投球後に肘が痛くなります。肘の伸びや曲がりが悪くなり、急に動かせなくなることもあります。
原因と病態
繰り返しボールを投げることによって肘への負荷が過剰となることが原因です。
肘の外側で骨同士がぶつかって、骨・軟骨が剥がれたり痛んだりします。また、肘の内側では靱帯・腱・軟骨がいたみます。肘の後方でも骨・軟骨がいたみます。
診断
野球をしていて、肘に痛みがあり、動きも悪いなどの症状があれば、野球肘が疑われます。
X線(レントゲン)検査やMRI撮影で診断します。
予防と治療
投球の中止が重要で、肘の安静が大切です。痛みを我慢して投球を続けていると障害が悪化して、症状によっては手術が必要になることもあります。
手術には、骨に穴をあける方法、骨を釘のようにして移植する方法、肋軟骨や膝の軟骨を移植する方法などがあります。
スポーツへの復帰時期については、よく相談してください。